Brother Jack McDuff / Moon Rappin'

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Brother Jack McDuff / Moon Rappin'

世の中には何十時間も聞いていられるCDは結構あります。内容が素晴らしいCDというのはもちろんその数よりも遥かに多いですが、その全てのCDが何十時間も聞けるか、といえばそうでもありません。

華のBlue Note4000番台にありながら、敏腕オルガン奏者Jack McDuffの渋い演奏が光っていながら、このイっちゃってるとしか思えない神がかり的なジャケットがありながら、ディスクレビューではページの調整なんかで2~3行しか書いてもらえないという非常に不遇な一枚です。

全体の内容は曲ごとにリスナーを振り向かせるような刺激的な抑揚は特に無く、ただ淡々とそれぞれが下を向いて40分演奏に没頭しているような感じなのですが、この見事に統一されたバックグラウンドに徹する彼らの姿勢は鳥肌が立つほどカッコイイし、勇ましいです。

曲調はジャズとファンクを混ぜて濃度を薄くした感じで、もう何回でも聞けてしまいます。アメリカ産刑事ドラマの喫茶店のシーンなんかでよく流れていたようなイメージがありますが、それとも若干違うような感じはあります。

僕がこの一枚に強く惹かれたのは何と言っても埃臭さすら感じる砂っぽいサウンドです。1ではいきなり強烈なブレイクビーツからスタートするんですが、その乾きまくったカラッカラのドラムサウンドにセンドリターンのライン入力錆ついちゃってるんじゃねえの?というくらい不気味に濁ったエコーがかかったワウギターが絡んでくると、ヒップホップをカジっている人達はもうすでに無意識のうちにMPCを立ち上げているわけです。

そしてこのS/N比低すぎな渋いサウンドにJack McDuffのオルガンは異常にマッチするんです。砂漠に水撒いてるような感じで、CDが終わる頃には「ああもっと、もっと水が欲しい」という感じでリピートしてしまうのです。それでたまにジャケットに目が入ってしまったりすると、もう止まらない。何故かもう延々に流さなければいけないという強迫観念に駆られ、そのうち本当に喉が渇いてくるのです。

というわけでこのCDをかけながら酒を飲むなんていうことは贅沢すぎるので自重するべきだと思うのでした。

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