どういうワケか僕の周りには「日本人が作る音楽」を全否定する人が結構いまして、「日本人のロックなぞ存在しない」とか、「日本人にアーティストなんていない」とか(これは僕の母親なんですけれども)、そこまで強情で無い人でもJ-POPを一緒くたにしてとりあえず終わっていると宣言してみる人はとても多いと実感します。
そのような意見は個人の感想なので自由なのですが、やっぱりそれを断言するには相当な覚悟が必要だな、ということをこのアルバムを聞きながらふと思いました。
山下達郎といえば最近(2008/3/12発売)ずっと一緒さというシングルが出たのですがもちろん速攻で買いに行きました。CMでやっていたカップリング曲のAngel of the lightが目的だったのですが、シングルなのにこれがアルバム並の充実度なんですね。1年ぶりくらいに心の底から買ってよかったと思えるCDに出会えました。
現在では山下達郎氏は音楽性を独特の達郎カラーにまで昇華させ、老若男女に愛されるサウンドを生産していますが、彼の音楽にはソウルやファンクといった黒人音楽がベースにあり、1976~1978年頃の彼の音楽にはそれが色濃く現われ、凄まじく黒く、グルーヴィで、かつそれをポップにまで昇華しているという点でまさに傑作だらけです。
その絶頂期にあった頃に作られたのがこちら、セカンドアルバムのSPACYです。発売当時はアナログ盤だったので現在ではCDにリマスターされております。
このブログでオススメする曲はやはりA面最後のDANCERになるでしょう。村上"ポンタ"秀一の手による強烈なブレイクビーツで始まり、ディレイがかった山下達郎の独白的な叫びがオーバーダブされ、そこに細野晴臣の弾くベースが彩りを添えるのです。サビまでの展開とサビ後の構成の強弱と抜き差し、全てが鳥肌ものです。J-FUNKの代名詞として山下達郎が挙げられる理由が一瞬で分かってしまう素晴らしい曲です。
このアルバム全部が完成されたポップミュージックであり、さらに村上"ポンタ"秀一、松木恒秀、佐藤博、吉田美奈子、坂本龍一、細野晴臣という豪華すぎる音楽のエキスパート達が参加していることが分かったのなら、これこそが日本人のアイデンティティに満ちた日本人の音楽であると断言できると思われます。
チャーなど日本人のロックが盛り上がりを見せていた頃にこのアルバムを山下達郎が作り上げたことに当時の音楽への信念と情熱を感じることができます。
山下達郎の真っ黒ファンク曲はこのアルバムのDANCERやSOLID SLIDERのほか、Windy LadyやBomberなど数多くありますのでチェックです。(Bomberは初めて聞いたとき腰抜かしました)

