j-popの最近のブログ記事

51SNkKclq8L._SS500_[1].jpgのサムネール画像電気グルーヴ / J-POP (初回生産限定盤)

まずこのジャケットのアートワークを見てやってください。ここまでコンセプトとクオリティが完璧に融合したCDジャケットはそうそう見ることが出来ません。80年代の日本人のアイドル観を悲壮感タップリで綴って見せた少年ヤングのPVもそうでしたが、電気の本質をズバリ見抜いた優秀なビジュアルデザインには盛大な拍手を送りたいと思います。

実のところ僕は"石野卓球"は好きだけれども"電気グルーヴ"は嫌いだという、まあこの記事をご覧になっている方のほとんどからして見て僕は中二病全開の痛い子なのであります。

というのも僕は電気の大名盤ORANGEの中の「誰だ!」のインスト部分のビートが卒倒するほどカッコよくて大好きで、歌詞も大好きで、シャウトも展開も大好きで、結局好きなんじゃねえかといった感じなのですが、それら全てが組み合わさって電気サウンドになると「勘弁してくれ」という状態になってしまうのです。それこそ「こんなのテクノじゃねーよ」とヘッドフォンを放り投げるガラスのハートの高校時代を過ごしてきたテクノ少年だった僕ですが、実際のところその考えは間違っていなかったのです。

そんなわけで8年振りとなる電気グルーヴのニューアルバム「J-POP」なのですが、アルバムタイトルに込められた石野卓球の願い(皮肉)もむなしく今作も思いっきりクラブ/テクノコーナーに陳列されておりました。しかしながら一聴してみたところテクノコーナーにJ-POPを陳列した某HMVの判断は正しかったのではないかと思わされました。

まず今作は電気特有の強烈なボーカルやギャグセンスがトラックを「食って」いませんでした。全てがテクノミュージックの枠にキッチリと収まっていて、かつ一曲一曲にムンムンに漂う「電気臭」を強烈に感じることができます。吹き出すような歌詞もシャウトも出てきませんが、「ああコレは電気しか作れない」と何度も思わせてくれるサウンドメイキングは流石です。

ところで僕にとって電気グルーヴで頭を空っぽにして聞いてみたときに「ああ、いい」と思わせてくれたのは今作が初めてです。NijiでもShangri-Laでも特に反応しなかった僕がこのJ-POPには揺さぶられました。というのも重要なのは「少年ヤング」と「モノノケダンス」がアルバムヴァージョンとして焼き直されている点で、この2曲のアルバムヴァージョンが見事にアルバムカラーに合っているのです。特に「モノノケダンス」のアルバムヴァージョンは本当に素晴らしいです。まさに脳天直撃でございました。

で、シングル曲がニューバージョンで収録されてアルバム全体の完成度を上がったのは分かったけれど「少年ヤング」と「モノノケダンス」のオリジナルバージョンはどこで聞けるの?というとDISK2のDVDに入ってるんですね。今回の手の施しようときたらもう何もかも完璧じゃないんですかと思わされるくらいの充実っぷり&屈指の完成度です。

個人的には、本当に個人的な意見なのですが次回作があるのならもうVOXXXのようなことはやらないで欲しいと思ったり、どうせやるわけ無いか、と思ったり致します。テクノ好きだけど電気は嫌いだという僕のようなひねくれボーイに是非聞いてもらいたい衝撃の新作でございました。

p023.jpg

松任谷由実 / DAWN PURPLE

なんと松任谷由美は今年(2008年)でデビュー36周年。こちらは1991年11月22日に発売された僕が最も好きなアルバムDAWN PURPLEです。

「時代に合わせるアーティスト」なんていう褒めているのか皮肉なのか分からない言葉で言われることも多いですが、確かにその言葉の通り彼女は当時のテクノロジーを貪欲に吸収しつつも抜群の作曲センスで一度聞いたら忘れることの出来ない印象的なメロディーを的確に配置しています。

こちらの作品はその「テクノロジー」という点においての良さが際立っており、サンプリングキーボードやシンセサイザー、リズムボックスを積極的に取り入れているほかダンス・ミュージックのテイストを大胆に取り入れている点が非常に特徴的です(千一夜物語とタイムリミットはハウス・ミュージックとシティサウンドを見事に融合させた傑作です)。

「時代に合わせる」というのは曲のテイストやテクノロジーだけではなくもちろん歌詞においても感じることが出来ます。この作品の「誰かがあなたを探してる」は女が恋人の家に忍び込んで勝手にパソコンを弄って恋のウイルスを消すという内容で歌詞といい編曲といい僕がこのアルバムで一番大好きな曲なのですが、この曲中に登場する『デリートしてるプログラム』や『マウスをたたいて』や『インプットしたら』という歌詞を聞くと「パソコン通信」とか「紙フロッピー」やら「Basic」といったワードが思い出されて懐かしさと切なさでなんとも言えない気持ちになります。

松任谷由美のファンには70年代~80年代前半が一番良かったという人もいれば80年代後半~90年代前半の深夜の高速道路でのドライブに似合いそうなシティサウンドの匂いがする頃を溺愛する僕のような人間もいます(このアルバムには収録されていませんがDelight Slight Light KISSの「リフレインが叫んでる」は当然僕がユーミンで一番好きな曲です)。

昨今のニューレイヴやらエレクトロディスコブームを通過した耳で今このアルバムを聞くと逆に全く新しく聞こえます。リズムボックスの使い方や耳に優しいミックス処理、そして何よりもキャッチーなメロディーセンスは現在の音楽に欠けつつあるものを完璧に備えていると言えます。

数年に一度は無性に聞きたくなるこの声とメロディ、アルバムをガサガサと奥のCD棚から他のCDを掻き分けて引っ張り出すたび松任谷由美というシンガーソングライターの偉大さを痛感させられてしまいます。

2008年5月

        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

2008年4月: 月別アーカイブ

2008年4月: 月別アーカイブ

ウェブページ

BIZNOT購入物



Powered by Movable Type 4.1