j-pop: 2008年1月アーカイブ

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松任谷由実 / DAWN PURPLE

なんと松任谷由美は今年(2008年)でデビュー36周年。こちらは1991年11月22日に発売された僕が最も好きなアルバムDAWN PURPLEです。

「時代に合わせるアーティスト」なんていう褒めているのか皮肉なのか分からない言葉で言われることも多いですが、確かにその言葉の通り彼女は当時のテクノロジーを貪欲に吸収しつつも抜群の作曲センスで一度聞いたら忘れることの出来ない印象的なメロディーを的確に配置しています。

こちらの作品はその「テクノロジー」という点においての良さが際立っており、サンプリングキーボードやシンセサイザー、リズムボックスを積極的に取り入れているほかダンス・ミュージックのテイストを大胆に取り入れている点が非常に特徴的です(千一夜物語とタイムリミットはハウス・ミュージックとシティサウンドを見事に融合させた傑作です)。

「時代に合わせる」というのは曲のテイストやテクノロジーだけではなくもちろん歌詞においても感じることが出来ます。この作品の「誰かがあなたを探してる」は女が恋人の家に忍び込んで勝手にパソコンを弄って恋のウイルスを消すという内容で歌詞といい編曲といい僕がこのアルバムで一番大好きな曲なのですが、この曲中に登場する『デリートしてるプログラム』や『マウスをたたいて』や『インプットしたら』という歌詞を聞くと「パソコン通信」とか「紙フロッピー」やら「Basic」といったワードが思い出されて懐かしさと切なさでなんとも言えない気持ちになります。

松任谷由美のファンには70年代~80年代前半が一番良かったという人もいれば80年代後半~90年代前半の深夜の高速道路でのドライブに似合いそうなシティサウンドの匂いがする頃を溺愛する僕のような人間もいます(このアルバムには収録されていませんがDelight Slight Light KISSの「リフレインが叫んでる」は当然僕がユーミンで一番好きな曲です)。

昨今のニューレイヴやらエレクトロディスコブームを通過した耳で今このアルバムを聞くと逆に全く新しく聞こえます。リズムボックスの使い方や耳に優しいミックス処理、そして何よりもキャッチーなメロディーセンスは現在の音楽に欠けつつあるものを完璧に備えていると言えます。

数年に一度は無性に聞きたくなるこの声とメロディ、アルバムをガサガサと奥のCD棚から他のCDを掻き分けて引っ張り出すたび松任谷由美というシンガーソングライターの偉大さを痛感させられてしまいます。

2008年5月

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